症状がひどくなる前に
デリケートな部分だからこそ、病院に行くのをためらいがちな方も少なくないと思いますが、症状が強くなる前に気軽に医師に相談して治療を行うことをおすすめします。
こんな症状ありませんか?
- 肛門部が痛い
- 肛門部が腫れている
- 座ったときに違和感がある
- 大便時に違和感がある
- おしりを拭いたときに血がつく
- 下着に膿(うみ)がつく
考えられる病名
- 内痔核…肛門内にできるいぼ痔
- 外痔核…肛門付近にできるいぼ痔
- 裂肛(れっこう)…切れ痔
- 痔瘻(じろう)…肛門周囲の穴から膿がでる
- 肛門周囲膿瘍…肛門の周囲に膿がたまり腫れて痛む
病気になる原因
肛門の病気は、主に排便習慣が原因です。
痔核(いぼ痔)は過度のいきみや血行障害により粘膜下の静脈が怒張することにより、肛門周囲膿瘍や痔瘻(あな痔)は下痢などで肛門部から細菌が入り感染することにより、裂肛(きれ痔)は便秘などで硬い便がでたあとに粘膜が切れることにより生じます。
肛門の病気の予防としては、以下の生活・排便スタイルがすすめられます。
①便意があったら我慢せず排便する。
②トイレは長時間(5分を目処に)座らない。
③食物繊維と水分を十分に摂る。
(ご高齢の方は、繊維の摂り過ぎが負担になったり、水分を一気に摂る
と頻尿になったりしますので注意が必要です)
④入浴や座浴は勧められる。
⑤温水洗浄便座の過度の使用は控える。
⑥肛門は優しく拭き、奥の方までは拭かない。
検査方法と治療法
直腸診と肛門鏡で検査をしています。排便時に出血がある場合には、痔の出血なのか腸からの出血なのか判断することが困難な場合があります。大腸カメラで大腸がんや炎症性の腸疾患が見つかるケースもありますので、出血している場合には症状や状態に応じて大腸カメラをお勧めしています。
当院では軟膏治療、痛みを軽減するための外痔核の血栓除去や肛門周囲膿瘍の切開排膿に対応しております。手術などが必要な場合は適切な施設へご紹介させて頂いております。
院長からのメッセージ
肛門や痔の症状については、なかなか人に相談できないデリケートな部分です。肛門や排便時に違和感を感じたら、早めにご相談ください。