ABC検診/胃がんリスク検診

ABC検診(胃がんリスク検診)とは?

  • 胃がんの主な危険因子はピロリ菌の感染。
  • ピロリ菌感染により、胃の粘膜に萎縮という変化(慢性的な胃炎)が生じ、その萎縮粘膜に胃がんが発生しやすくなります。
  • 「ピロリ菌感染の有無を調べる検査(ピロリ菌検査)」と「胃炎の有無を調べる検査(ペプシノゲン法)」を組み合わせて、胃がんになりやすいかをリスク分類するものです。
  • 「胃がんを見つける検査」ではありません。
  • 世田谷区の区民検診ではでは、40・45・50・60・70歳の方が生涯に1度受けられます。
  • 血液検査です。

 

ABC検診の判定方法

ABC検診は、ピロリ菌検査とペプシノゲン法の両者の検査を行い、胃がんの発生リスクを低リスクから高リスクへとA、B、C、Dの4群に分け判定します〔表1〕。
(問診で、すでにピロリ菌の除菌治療を行ったことが確認された方はE群となります。)

A群

ピロリ菌の感染がなく、胃粘膜の萎縮がない状態。
胃がんが発生するリスクはほとんどありません(胃がんの1%以下)。

B群

ピロリ菌の感染がありますが、ペプシノゲン値が基準値以上(陰性)で、胃粘膜の萎縮が進んでいない状態。
胃がん発生率は年率0.1%(1000人に1人)程度です。
A群を1とした場合のハザード比は8.9です。

C群

ピロリ菌の感染があり、ペプシノゲン値が基準値以下(陽性)で萎縮の進んでいる状態。
年率0.2%(500人に1人)程度の胃がん発生率です。
A群を1とした場合のハザード比は17.7です。

D群

胃粘膜の萎縮が進んで、ピロリ菌が住めなくなった胃粘膜の状態。
ピロリ菌抗体が陰性で、ペプシノゲンは陽性となり、胃がん発生率は年率1.25%(80人に1人)です。
A群を1とした場合のハザード比は69.7です。

E群

ピロリ菌を内服薬にて除菌した群です(問診にて確認し、検査は行いません)。

ABC検診受診時に気を付けること

胃の手術を受けたことのある人、過去にピロリ菌の除菌療法を受けた人、現在胃の薬を飲んでいる人、腎機能の悪い人などは結果が正しく出ない場合がありますので、受診の際に必ず申し出てください。

結果が出た後はどうする?(表1参照)

  • B群、C群、D群は精密検査(胃内視鏡検査)。
  • ピロリ菌感染があるB群とC群は、胃内視鏡検査後にピロリ菌の除菌治療。
  • D群は胃内視鏡検査を行った後、ほかのピロリ菌検査を行い、感染が確認された方はピロリ菌の除菌治療。
  • まず胃内視鏡検査を先に行っていただいた後に、ピロリ菌除菌治療になります。
  • 除菌後も定期的な胃内視鏡検査は必要です。

 

解説

A群の方は胃がんのリスクはほとんどなく、胃内視鏡精密検査を受ける必要はないと考えられます。しかしながら、ピロリ菌陰性で胃の萎縮がない状態からの胃がんの発生は極めて低いですがゼロではありませんので、自覚症状のある方は胃の精密検査が検討されます。

ピロリ菌感染のある方は、胃がんのリスクを減らすためにピロリ菌を退治する除菌治療を行っていただく必要があります。除菌治療により胃がんの発症が30~50%以下に低下すると考えられます。
対象となるのはピロリ菌感染が確認されているB群とC群の方、そしてD群の中で他の検査でピロリ菌感染が確認された方となります。(※ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎の診断となるので保険診療となります)(※D群で他のピロリ菌検査を行う場合も保険診療となります)。

ピロリ菌の除菌療法自体は内服薬による治療ですが、胃がんが現時点であるか、胃炎の状態(萎縮の程度など)の評価、胃がん以外の病変(胃潰瘍)があるかなどを評価する目的に、除菌療法の前に胃内視鏡検査を行っていただくことが保険診療上の流れとなっております(※胃内視鏡検査も保険診療)。

除菌治療を行い、ピロリ菌が陰性となったとしても胃の萎縮はしばらく残り、胃がん発見はこの後も可能性があります。そのため胃の内視鏡検査はABC検診を実施した年だけでなく、将来も継続して行って頂く必要があります。

病気の早期発見や早期治療のお手伝いを

当院は地元のみなさまの健康をまもり、よりよい生活を送っていただくために、患者さん一人一人の健康管理のお手伝いを致します。

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