高血圧

血圧とは

心臓は、常に全身の細胞に酸素や栄養を届ける血液を送り出しています。この血液が心臓から押し出されて動脈を通るときに、血管の壁に与える圧力が血圧です。
血圧には「収縮期血圧」と「拡張期血圧」あります。
「収縮期血圧」は、心臓が収縮して血液を全身に送りだすときに動脈の血管壁に与える圧力です。
「拡張期血圧」は、心臓が拡張し、血液を取り込んだとき動脈の血管壁にかかる圧力です。

高血圧とは

血圧は絶えず変動しているので、診察室という特殊な条件で測定された血圧(診察室血圧)と家庭の血圧計で測る血圧(家庭血圧)は必ずしも一致しません。
診察室血圧の場合、収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上を高血圧といいます。
一方、家庭血圧の場合は、収縮期血圧135mmHg以上または拡張期血圧85mmHg以上が高血圧となります。

こんな症状ありませんか?
  • みぞおちが痛む
  • 黒の便がでる
  • 吐き気がする
  • 食後しばらくたってから胃が痛む
  • 空腹時に胃の上部が痛む
考えられる病名
  • 胃炎
  • ピロリ菌が原因による胃炎
  • 十二指腸潰瘍
  • 胃潰瘍
  • 胃の排出機能低下
  • 早期胃がん

高血圧の原因

• 大きな要因は生活習慣のひずみです

遺伝的素因の関与もありますが、それ以上に環境的要因の方が強く関係していると考えられています。親が高血圧だと体質が遺伝して高血圧になりやすいといえますが、日頃からの生活習慣に注意することで高血圧の発症は予防できます。
高血圧に関連する環境的要素としては、塩分摂取の多い食生活、肥満(食塩の感受性が高まるため)、ストレス、糖尿病、脂質代謝異常、メタボリックシンドローム、不眠、飲酒、喫煙などが挙げられます。

血圧が高いと何が起きるか?

• 高血圧は脳卒中や虚血性心疾患など心血管病の最大の危険因子と考えられています
• 合併症があると更にリスクが高まります

高血圧では血管の壁にいつも高い圧力がかかっているので血管の壁が障害され、壁が厚くなり動脈硬化を起こします。そして動脈硬化があると血管の弾力は失われ、更に血圧は高くなっていきます。このように高血圧と動脈硬化の悪循環が全身の血管に起こるため、脳の血管が障害されると脳出血や脳梗塞、心臓に栄養を送る動脈(冠動脈)が障害されると狭心症や心筋梗塞、急性心不全、腎臓では腎硬化症、眼では高血圧性網膜症となります。高血圧は心血管病の最大の危険因子と考えられています。
高血圧に肥満、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病が合併すると動脈硬化は益々進行し、脳出血や脳梗塞、狭心症や心筋梗塞などにより死に至る可能性も高くなります。

高血圧による症状、高血圧であると気付く方法

高血圧は自覚症状に乏しく、急な発症で症状がある場合を除いては血圧測定でしか気付く方法はありません

通常、高血圧は、徐々に血圧が上昇して発症するため、体に慣れが生じるため自覚症状に乏しく、気付かないうちに悪化していることも多くあります。一方、発症が急激な場合は自覚症状が重く、後頭部痛が特徴的で、この他に眼の奥の痛み、頭重感、頭痛、めまい、肩こり、動悸、吐き気、手足のしびれ、ほてりなどが認められることがあります。
症状がほぼない状態では、高血圧と気付く方法は血圧測定しかありません。そのため、健診での血圧測定、スポーツジムやゴルフ場などにある血圧測定装置を試すなどを機に、初めて高血圧が明らかになるということも多くあります。

家庭での血圧測定

• 推奨される血圧計は上腕にカフ(腕帯)を巻き付けるタイプで、比較的正確に血圧を測定することができます
• 朝と晩、1機会に1回以上、週5日以上測定する
• 朝は起床後1時間以内、排尿後、座位1~2分安静後、服薬前、朝食前に測定。晩は就寝前に座位1~2分安静後に測定します
• 座った状態で、カフの位置は心臓の高さ、腕は伸ばした状態
• 利き腕でない側の腕
• 朝・晩それぞれの平均値135/85mmHg以上で高血圧と評価します

家庭血圧計

現在、家庭血圧計は指、手首、上腕を測定部位とする機器が入手可能ですが、上腕にカフ(腕帯)を巻き付けるタイプが比較的正確に血圧を測定することができ、推奨されています。指の血圧は生理的に上腕と異なる、高さによる圧較差、末梢血管の攣縮、手首では解剖学的に加圧しても動脈の完全な血行遮断ができないなどが理由となっています。

測定条件

・朝、晩に各1~3回の測定、毎日測定できなくても週5日は測定しましょう。

・朝は、起床後1時間以内、排尿後、座ってから1~2分後、服薬前、朝食前に測定します。

・晩は就寝前に座ってから1~2分後に測定します。

※指示により夕食前、晩の服薬前、入浴前、飲酒前などを追加します。

測定環境

静かな適当な室温の部屋、背もたれ付きイスに足をくまず座って1~2分安静してから測定します。
(あぐら、正座ではイス座位と圧の差が出ますが、普段の決まった状態であればあぐら、正座でも構いません。)
注意点として、会話を交わさない、測定前に喫煙、飲酒、カフェインの摂取は行わない、興奮するテレビの視聴もしないなどがあります。

測定の体位・測定する腕

[測定の体位]
座った状態でカフの位置は心臓の高さ、腕は伸ばした状態。

[測定の腕]
利き腕でない側の腕を用います。

高血圧の治療

高血圧治療の基本は生活習慣の改善で、それでも血圧が高い場合に降圧剤による治療を行います。

降圧剤は単剤で目標の達成が難しい場合は2、3剤の併用が必要となります。

生活習慣の修正項目

①減塩:6g/日未満
    例・加工品(干物や練り製品)の使用を減らす。
     ・漬物の頻度を減らす、浅漬けや酢漬けにする。
     ・汁ものが多い場合は小ぶりの汁椀にする、減塩調味料の使用。
     ・ラーメンなどの回数は減らす、汁は残す。
     ・味付けをうすくする。
②食塩以外の栄養素:野菜・果物の積極的摂取
          コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える
          魚(魚油)の積極的摂取
③減量:肥満の指標であるBMI(body mass index)を25未満にする。
*BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
④運動:運動強度の強くない有酸素運動が生活習慣病対策には優れており、カロリー制限と組み合わせて用いると効果的です。
心血管病のない方のみ。
    中等度の強度の有酸素運動を中心に定期的(毎日30分以上)に行う。
⑤節酒:慢性的な多量飲酒は血圧を上げ、節酒は血圧を下げます。
エタノール換算で男性20~30ml/日以下、女性10〜20ml/日以下。
    *エタノール20~30ml➡日本酒1合、ビール中ビン1本、焼酎半合弱、ウイスキーダブル1杯、ワイン2杯弱
⑥禁煙:喫煙による血圧上昇は15分以上持続し、連続して喫煙するとその持続時間は長くなります。また、虚血性心疾患や脳卒中などの強力なリスク因子です。

薬物治療

降圧薬の種類
①カルシウム拮抗薬:
カルシウムが血管の平滑筋細胞へ入りこんで血管を収縮させるのを防ぎ、
血管を拡張させて血圧を下げます。

②アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB):
血管を収縮させて血圧を上げる作用を持つ「アンジオテンシンⅡ」という物
質の働きを阻害して血圧を下げます。
③ACE阻害薬:   
血管を収縮させて血圧を上げる作用を持つ「アンジオテンシンⅡ」という物
質を作り出す酵素「ACE」の働きを抑えて、血圧を下げます。
④α遮断薬: 
全身の血管を収縮させる交感神経の受容体である「α受容体」に作用し、血
管の拡張を促して血圧を下げます。
⑤β遮断薬: 
心臓の筋肉で心臓を収縮させている「β受容体」に作用し、心臓の収縮を弱
め、拍出量を下げて血圧を下げます。
⑥利尿薬:  
体内にたまった水分とナトリウムを尿として排泄させて、全身の血液量を
減らすことで血圧を下げます。

病気の早期発見や早期治療のお手伝いを

当院は地元のみなさまの健康をまもり、よりよい生活を送っていただくために、患者さん一人一人の健康管理のお手伝いを致します。

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